家電共同物流活用による新物流体制の構築
外資系家電メーカーE社様の課題
- 既存委託先の倉庫のスペースに拡張性がない
- 家電の荷扱いノウハウが豊富なパートナーに委託したい
- 陸揚げ後に発生する国内物流コストを低く抑えたい
物量波動に対応できる倉庫スペースを確保
家電共同物流の活用でコスト抑制を実現
家電製品に強い3PLにアウトソーシング
外資系家電メーカーE社様は、日本市場向けにテレビやモニター、洗濯機といった製品を供給しています。日本での出荷先はEC事業者や家電量販店などが中心で、中国や東南アジア諸国で生産した製品を、海上輸送(コンテナ)を経て横浜港で荷揚げし、同港近くの物流倉庫で一時保管した後、全国各地に出荷する物流体制を構築していました。
既存の物流体制における課題の1つは、陸揚げ後に製品を管理している物流倉庫のスペースに拡張性がない点でした。年末や年度末といった買い替え需要が高まる時期やセール実施時期など、輸入量が大きく膨れ上がった場合には、スペース不足を解消するため、外部に倉庫を借りる必要がありました。しかもそれを自社で手当しなければなりませんでした。
物量波動にも柔軟に対応できる倉庫スペースを確保する。家電の特性を熟知した入出荷作業(庫内オペレーション)を展開して破損など製品事故をなくす。ブラックボックス化していた物流コストを明確にする────ことなどを目的に、E社様は物流コンペに踏み切りました。その結果、当社が物流改革のパートナーに選ばれました。
他社製品との共同配送でコスト負担減
コンサルティングフェーズでの取り組みとして、当社ではまず、入荷、出荷、在庫などのデータ分析を実施しました。どのアイテム(製品)がどれだけ入荷され、どのタイミングでどこ(エリア、納品先)に向けてどれだけ出荷され、物流倉庫にはどのくらいの在庫が残るのか、といったモノの動きの現状を把握したうえで、E社様にとっての国内物流のあるべき姿を検討しました。
当社がご提案したのは、「家電物流プラットフォーム」の活用です。「家電物流プラットフォーム」とは、届け先が共通する複数メーカー様の家電製品を対象に、物流倉庫での管理(入出荷作業などの庫内オペレーション)や、店舗・物流センターへの配送を、当社がとりまとめて共同化することで、メーカー各社様の物流コストの負担減を実現するというものです。現在、東芝グループをはじめ、国内外の家電メーカー各社様にご利用いただいているサービスです。
具体的には、横浜港で陸揚げした製品を、当社が川崎市に構える「家電共配センター」(南関東支店=川崎倉庫)で管理し、東日本エリアの顧客向けには同センターから出荷。西日本エリア向けには、大阪市に置く「家電共配センター」(関西支店=新住之江倉庫)をいったん経由(中継)した後に出荷するという仕組みを構築することにしました。
E社様は、すでに稼働している共同物流のインフラに「相乗り」することで約Eヵ月間という短い準備期間で新体制への移行を完了できたほか、一連の物流改革を通じて、倉庫スペースの柔軟性のある運用、物流品質の向上(破損事故等の減少)、納期の遵守(リードタイム短縮)、物流コストの抑制などに成功しました。
コンサルティングのポイント
- 家電プラットフォームの活用
- 迅速な新物流体制の構築
- 入出荷と在庫の「見える化」
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