拠点集約による物流コスト削減

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置き型社食サービスI社様の課題

  1. 3か所の物流拠点があるが、データの仕様や管理ルールがバラバラなうえ、一部作業は属人化している
  2. 3拠点からの配送先が重複していたり、拠点間での在庫調整の横持ち輸送が発生するなど、配送に無駄がある
  3. 事業拡張を視野に入れた際、物流体制をどう構築すべきか分からない

拠点集約で物流コストを大幅削減
属人的な庫内・事務作業を見直し

横持ち輸送や納品先重複が課題

オフィスの冷蔵庫に常備されている惣菜類の中から好きなものを選んで、リーズナブルな値段で購入できる「置き型(設置型)社食」サービス。食品添加物が少なかったり、低カロリーだったり、バランスの良い食事の提供を通じて従業員の健康促進にも寄与できる福利厚生メニューとして、近年、人気が高まっています。当社は2023年に「置き型(設置型)社食」サービスを展開するI社様の物流改革をご支援させていただきました。

横持ち輸送や納品先重複が課題

I社様では、関東エリアの一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の取引先オフィス(納品先)に商品を供給するため、物流拠点を3カ所設置。食材ベンダー(仕入先)は3カ所それぞれに商品を納品する必要がありました。物流拠点がやり取りする各種データの仕様や管理ルールは、ベンダーごとにバラバラでした。拠点間では在庫調整などの目的で横持ち輸送が発生していました。3カ所の物流拠点がカバーする納品先は重複しているケースもありました。

入出荷など各物流拠点での庫内作業は、生産性が低いわけではありませんでした。ただし、商品の保管場所を把握しているのは特定のスタッフのみだったり、作業の進め方はスタッフ個々に委ねていたり、属人的な管理体制でした。庫内スペースの活用ルールも全社的に統一されていませんでした。

倉庫・配送の再構築を提案

物流体制の現状と課題を把握したうえで、まず当社がご提案したのは、物流拠点の集約です。現行の3カ所に1カ所にすることで、①倉庫運営コストの削減、②仕入先の輸送コスト削減による調達コストの削減、③横持ち輸送の廃止、④受発注データなどの統一や在庫管理の一元化、⑤各拠点からの重複配送を解消することによる納品先での荷受け業務負担の軽減-----などが見込めました。

集約した拠点でのWMS(倉庫管理システム)導入も提案しました。商品の入荷から保管、在庫管理、ピッキング、梱包・包装、発送までの業務フローを標準化し、作業スタッフの習熟度に左右されない庫内オペレーション体制を構築することや、発注書、納品書のやり取りなど事務作業の簡素化することが目的です。

3つ目が「配送体制の再構築」です。将来の事業拡大(納品先の増加)を前提に、どのような配送手段を選択すべきか、想定される3つの方式についてコストシミュレーションを実施しました。その結果、物流拠点から納品先までの距離に応じて、「専属便でのルート配送」と「共同配送便」を併用することを提案しました。

こうした改善プランを実行すれば、新たにWMS導入コストは必要になるものの、保管、荷役、輸配送(横持ち含む)、事務、システムなどの領域で大幅なコスト削減効果が見込めました。実際、I社様では、当社の提案内容に基づいた新体制に移行したことで、年間数千万円の物流コスト削減に成功しました。

ポイント

  1. 3カ所に分散していた倉庫を一本化
  2. 作業標準化とデータ管理統一のためWMS導入
  3. 事業拡張を視野に専属便を共同配送に切り替え
2024年7月OPEN 柏沼南倉庫
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