棚搬送ロボットシステムの導入

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多くの作業スタッフを要する物流現場でのピッキング業務。人手不足が深刻化する中、省人化や省力化、スタッフの肉体的負荷の軽減、作業生産性の向上などを実現するため、当社では棚搬送ロボットシステムの導入を進めています。

「棚搬送ロボットシステム」導入のポイント

  1. ネット通販への対応などで、物流センターで管理する製品・商品アイテム数は増加傾向に。従来は人手で処理してきたピッキング業務を、ロボットを活用した新たな仕組みに改めることで、作業の生産性アップを目指す。
  2. 独自のシミュレーションソフトを活用するなど、自社開発要素を随所に盛り込んだ「棚搬送ロボットシステム」を構築・導入。

スタッフが歩き回らない物流現場づくり

物流センターで展開される入出荷やピッキングといった作業のサポートツールとして「棚搬送ロボット」を導入するケースが相次いでいます。膨大なアイテムの管理を必要とするネット通販向け物流センターでの導入を皮切りに、現在では様々な業種業態向け物流センターでの活用が進んでいます。

従来、例えばピッキングでは、製品や商品が格納されている棚(ラック)まで作業スタッフ自らが出向いて対象物を取り出す必要がありました。これに対して、棚搬送ロボットは自走式のAGV(無人搬送車)がラックを作業スタッフの前まで運んでくる仕組みになっているため、作業スタッフは物流センター内を歩き回ることなく、ピッキングを処理できるといった利点があります。

庫内オペレーションの省人化につながる棚搬送ロボットは、人手不足が深刻化している物流現場にとって欠かせない荷役ソリューションの1つになりつつあります。当社では、昨年稼働させた棚搬送ロボットシステムを皮切りに自動化システムの積極的展開をすすめてまいります。

独自の工夫を盛り込んだ棚搬送ロボットを導入
物流現場の作業生産性は従来比3倍アップに成功

「計画フェーズ」に続く「実行フェーズ」も当社がお手伝いすることになりました。設備投資や各物流拠点の日々の運用を、D社様が自前で行う(内製化)のか。それとも3PL(サードパーティー・ロジスティクス)に外注化するのか。D社様はそれを判断するためのコンペ実施を計画。当社は3PL各社からの提案を募るためのRFP作成を担当しました。

作業ミス回避のための“アナログな”工夫

当社では2021年4月に棚搬送ロボットの本格運用をスタートしました。医療・健康器具を扱う物流センターにおいて、入荷(格納)〜ピッキングの工程を対象に、「棚搬送ロボットシステム」を導入。システムは棚搬送ロボット(AGV)20台、移動棚(Pod)440本、ワーキングステーション5基で構成。スタッフの歩行削減(作業スタッフの身体的な負荷の軽減)、作業時間の短縮、入荷・出荷の生産性指標(KPI)の向上といった成果を上げています。とりわけピッキング作業では、生産性を従来比で約3倍にまで高めることに成功しました。

棚搬送ロボットシステムの構成

棚搬送ロボット(AGV)20台
棚搬送ロボット(AGV)20台

ロボットが棚下まで移動し、棚を持ち上げてワーキングステーションまで搬送します。
移動経路はオーダーリストから生成、棚配置はリアルタイムに並べ替えられ、ロボットの移動は効率化されるようになっています。

移動棚(Pod)440本
移動棚(Pod)440本

棚段は色分けされており、何色の棚から取り出すなどピッキングの指示に色が使われています。分かりやすく直感的に作業が行えます。

ワーキングステーション:5基
ワーキングステーション:5基

搬送ロボットがこのステーションまで棚を搬送。スタッフはこの場所でピッキングします。
ステーション内は人間工学に基いて配置されており、ピッキングの作業効率を高めています。

棚搬送ロボット導入の効果

  • スタッフの歩行削減
  • 作業時間の短縮
  • 入出荷の生産性指標(KPI)の向上

生産性が従来比で3倍アップ!

ワーキングステーション:5基
ワーキングステーションまでラックが移動、スタッフはその場でピッキング

当社が導入・運用する「棚搬送ロボットシステム」には、独自の工夫が随所に盛り込まれています。例えば、棚段にはそれぞれ色を割り振っています。システムからピッカー(ピッキングスタッフ)には、モノを「何段目から取り出す」という指示ではなく、「何色の段から取り出す」というわかりやすい指示を出す仕組みにすることで、商品の取り違いなどの作業ミスを防いでいます。

画面上の指示に合わせた色の棚からピッキングを行う
画面上の指示に合わせた色の棚からピッキングを行う

また、出荷量や取扱アイテム数の増減に応じて、ロボットや棚の運用数を柔軟に変更できる仕様にしている点も、当社が運用する「棚搬送ロボットシステム」の特徴の1つと言えます。例えば、季節要因などで入出荷量に大きな波動が生じる場合、実際の必要数に合わせて、棚やロボットを投入できます。それによって、作業場の省スペース化や消費電力の抑制を実現しています。

事前にスキャンで棚情報を読み込み、ロケーション登録を行う
事前にスキャンで棚情報を読み込み、ロケーション登録を行う

棚搬送ロボット導入における当社独自の工夫

  • 棚段にはそれぞれ色を割り振り「何色の段から取り出す」という分かりやすい指示で作業ミスを防ぐ
  • 出荷量や取扱アイテム数の増減に応じて、ロボットや棚の運用数を柔軟に変更できる仕様にし、季節要因などの波動対応も容易にするほか、作業場の省スペース化や消費電力の抑制も実現

環境負荷軽減や新型コロナ対策にも有効

棚搬送ロボットの導入は、SDGsへの取り組みにもつながります。棚搬送ロボットは、省人化や省力化を通じて化石燃料や電力などのエネルギー消費量の削減に貢献できるからです。
そのため、導入に対する政府の補助制度も充実しています。例えば、当社では、自社導入時に「令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金」(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)を活用することができました。

また、棚搬送ロボットは新型コロナウイルス感染防止対策としても有効です。導入によってピッキングエリアを無人化できるとともに、作業スタッフ同士の接触や対面を回避できるようになるためです。

当社が運用している棚搬送ロボットの詳細は動画にてご確認いただけます。また、現場視察等をご希望のお客様は直接当社までお問い合わせください。

動画で見る棚搬送ロボットシステム

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