超重量物輸送
発電所関連設備でプロジェクト実績豊富
現地事情に配慮したノウハウで安全輸送
超重量物とは、通常のトラック輸送やコンテナ船では対応が難しい、極めて重く、大きく、または特殊な形状を持つ貨物を指します。具体的には、建設・土木分野では橋梁や高層ビル用鉄骨、トンネル掘削機(シールドマシン)などの大型建設機械や大型コンクリート製品など。プラント・エネルギー分野では、火力発電所や原子力発電所向けの発電機や変圧器、大型ボイラー、貯蔵タンク、風力発電設備(ブレード、ナセル、タワー)や原子炉容器などが超重量物に相当します。

これら貨物の輸送では、重量、寸法、取扱方法の特殊性から、輸送・荷役計画、機材選定、安全対策まで個別に緻密な設計が必要となります。当社では、超重量物輸送の豊富な経験とノウハウに基づいて、お客様の大切な貨物を安全、確実にお届けする最適な輸送プランをご提案します。
国内輸送にとどまらず、海外への輸出案件についても豊富な対応実績を有しています。日本国内での集荷から港湾荷役、海上輸送、海外現地での通関、陸上輸送、据付作業に至るまで、グループ現地法人や信頼できる協力会社とのネットワークを活用し、ドアーツードアで一貫対応します。

国内から海外まで、ドアーツードアで一貫対応
海上輸送では、貨物特性に応じた在来船や重量物専用船を選定し、積み付け計画から荷役、航海中の荷崩れ防止対策までトータルにサポートします。陸上輸送においては、多軸台車やモジュールトレーラーといった特殊車両を用い、輸送ルートの事前調査、道路・橋梁の強度確認、交通規制申請、警備車両の手配などを自社および協力会社でコーディネート。安全かつ効率的な輸送を実現しています。

荷役作業では、超大型クレーンや油圧ジャッキ、スライドシステムなど最新の専用機材を活用し、貨物の特性と現場環境に最適な作業計画を立案。積み込みから積み下ろし、据付に至るまで、全工程で安全第一を徹底しています。また、輸送・荷役におけるリスクアセスメントを事前に実施し、万全の安全対策を講じています。国際基準に基づいた品質・安全管理体制を整備しています。
日本~海外の港間の在来船での海上輸送や、海外港での水切り(unloading)や船積み(loading)作業は、殆どの場合、現地会社が実施するため、日本と同様レベルの品質を維持するためには、作業手順や安全対策などをしっかりと事前に調整したり、実作業時に確認したりする必要があります。当社ではこうしたマネジメント業務も、現地にエンジニアを派遣するなどして対応しています。
輸送インフラが未整備な地域への対応も、当社の強みのひとつです。岸壁が整っていない港や、搬入路が未整備な現場においては、現地業者との連携はもちろん、日本から土木技術者を派遣するなどして、輸送できるようにするための仮設構造物の設計確認や補強提案を実施しています。現地の条件に応じて柔軟に計画を調整し、安全性とスケジュールの両立を実現しています。
複数国で火力、原子力発電所向け輸送
過去のプロジェクト実績でとりわけ多いのは、火力、原子力発電所向けの「発電設備」を構成する製品(機器)となります。例えば、発電機ステーター、発電機ローター、蒸気タービンケーシング、蒸気タービンローター、復水器、脱気器、高圧ヒーター、主変圧器など(最大重量450t程度まで)です。
こうした発電設備・機器は、アメリカ、カナダ、韓国、台湾、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、バングラディシュ、インド、UAE、オーストラリア、ニュージーランドへの輸送実績があります。
超重量物の現地輸送工程例

豊富な実績に裏付けられた高い技術力と柔軟な対応力で、国内外問わず、お客様のプロジェクトを物流面から力強く支えます。「国内から海外まで、超重量物を一括して任せたい」「現地での搬入作業まで対応してほしい」といったご要望にも、当社がワンストップでお応えしますので、まずはお気軽にご相談ください。

【超重量物海外輸送事例】
仮設岸壁を造成し、インド発電所向け重量品を安全輸送
インドの火力発電所建設プロジェクトにおいて、当社は約180トンの蒸気タービンローターをはじめとした発電設備の輸送エンジニアリングを担当しました。搬入ルートとなる河川沿いには、船からの荷揚げに必要な岸壁設備がなかったため、現地輸送業者が仮設岸壁の設計を行いましたが、設計の健全性を確認するため、当社では日本から土木専門家を派遣し、設計内容のレビューと強度・安定性の再検証を実施。必要な補強案も加えたうえで、スケジュール通りに仮設岸壁を造成し、安全な荷揚げを完了しました。また、発電所構内では輸送経路やクレーン設置スペースの整備が不十分だったため、現地の土木業者・建設業者と調整を重ねました。当社の輸送エンジニアが現地入りし、納期やコスト、設置条件の最適化を図ることで、プロジェクト全体の輸送品質を高水準で維持することができました。

船積み・海上輸送 計画から実施までの流れ
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プロジェクト開始に向けた準備
プロジェクト企画段階から輸送検討を行い、実行条件をまとめ、機器設計・現地工程・リスク等を考慮したエンジニアリングを実施し、プロジェクト開始に向けた準備を開始
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船ごとに技術仕様書を当社で作成
船積みの1~1.5か月前に、輸送対象機器、スケジュール、作業範囲、全般的な技術要求事項、輸送スケジュール、主要な機器の荷扱い条件、提出が必要なドキュメントと、盛り込む必要がある情報、輸送荷姿図などを記載
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上記の技術仕様書とセットで協力会社へ作業を依頼
船積みの1~1.5か月前に、船の選定と計画書の作成依頼
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技術仕様書をベースに輸送計画書(MS: Method Statement)を作成
船積みの2週間前程度に協力会社が当社へ提出
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船積み前計画レビュー会議を開催
船積みの2週間前までに当社、協力会社(船会社含む)でMSをベースにレビュー会議。会議結果を受け、必要に応じて協力会社はMSを改訂
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船積み前会議を開催
船積みの2日まで程度に当社、協力会社、船会社で開催し、船積み、海上輸送作業内容を最終確認。
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作業確認
船積み前会議の結果を踏まえ、当社から協力会社へ作業指示。船積み作業、水切り作業時に協力会社責任者が計画通りの作業であったかをチェックシートをもとに作業立ち会いを行い、作業の健全性を記録として残す。追って当社責任者が記録を確認。