医薬品メーカーのEC専用物流スキーム構築

医薬品EC市場はここ数年、消費者の利便性向上を背景に急成長しています。老舗医薬品メーカーであるA社様もその流れを捉え、公式オンラインショップを開設し、主力ブランド商品のネット販売に乗り出しました。

A社様の製品は従来、ドラッグストアなど店舗販売が中心でした。メーカー〜卸〜小売りという流通経路をたどり、工場や物流センターからはパレット単位、ケース単位といった中・大ロットでの出荷が基本でした。

当社では、A社様に関東と関西の物流拠点を候補として提案。その選定にあたっては、「配送リードタイム」「庫内作業効率」に加え、薬剤師の雇用が容易なエリアであるかという薬機法対応面での要件も重視しました。最終的には、協議の結果、これらの観点で優位性を持つ当社の関西施設をEC物流拠点として活用することにしました。

大阪茨木営業所では、EC向け物流に最適化した作業工程を構築しています。入荷時にはまず、製品の外装破損チェックや数量確認を徹底。その後、ハンディ端末を用いたバーコードスキャンによってロケーション情報、数量、使用期限などの各種情報をシステムに登録します。これによって庫内管理精度と作業効率の向上を図っています。

新体制への移行で、A社様は薬機法にのっとった医薬品ECのスムーズな立ち上げに至りました。

今回の取り組みは、メーカーがEC事業を成長させるうえで、既存の物流体制にそのまま依存せず、新たな仕組みを柔軟に構築することの重要性を示す好例と言えます。当社では今後も、本大阪医薬品拠点をはじめ、全国各地での対応拠点にて医薬品メーカー様をはじめとする多様な事業者様のEC物流を強力にサポートしてまいります。