振動試験とは
~基本概念、重要な役割、そして様々な用途について詳しく解説!
製品の耐久性や信頼性を補償するために欠かせない
振動試験の基本概念・重要な役割・様々な用途を解説
振動試験は、製品の性能や品質に対して科学的かつ客観的な方法で評価するための試験方法です。製品の品質を確保し、市場での信頼を築くために欠かせない振動試験について、基本的な概念、試験の重要性、使用装置と機器、実施手順、データ解析と結果の解釈について解説します。さらに、SBS東芝ロジスティクスでの振動試験実施事例も紹介します。
振動試験とは? - 基本概念の解説
振動試験は、製品の性能や品質に対して科学的かつ客観的な方法で評価するための試験方法です。この試験は、製品が機械的な振動にどのように耐えられるかを確認し、その耐久性や信頼性を保証するために行われます。

振動試験の意義
振動試験は、製品が日常使用や輸送中に受ける振動ストレスを再現し、どの程度の振動に耐えられるかを評価することを目的としています。これにより、製品の設計や製造工程の改善に役立てることができます。
振動試験の具体例
我々の生活の中には、振動に関連する様々な問題が存在します。例えば、
電気機器の輸送
電子機器や精密機械は輸送中に振動や衝撃を受けることが多いです。振動試験を行うことで、製品が輸送中に損傷を受けないかを評価し、必要な改良を行うことができます。
コンピュータの輸送
コンピュータやサーバーは、輸送中の振動や衝撃によって内部部品が緩んだり、故障する可能性があります。振動試験を行うことで、これらの機器が輸送中にどの程度の振動に耐えられるかを確認し、適切な梱包方法や保護材を選定します。
医療機器の輸送
MRIや超音波診断装置などの高精度医療機器は、輸送中に振動によって精度が低下するリスクがあります。振動試験を通じて、輸送中の振動条件をシミュレーションし、機器が安全かつ正確に到着するための対策を講じます。
このように、振動試験は多岐にわたる分野で製品の信頼性を確保するために実施されます。次に、振動試験の具体的な目的とその重要性について詳しく見ていきましょう。
振動試験の目的と重要性
振動試験は、製品の品質保証と信頼性向上のために不可欠な試験方法です。このセクションでは、振動試験の具体的な目的とその重要性について詳しく説明します。

振動試験の目的
振動試験の目的には、主に4つの側面があります。
まず第一に、振動試験は製品の耐久性評価を目的としています。製品が実際の使用環境や輸送中にどの程度の振動に耐えられるかを評価することで、製品の寿命や耐久性を確認します。これにより、製品が長期間にわたって安定して機能するかどうかを見極めることができます。
次に、振動試験は故障予測と防止を目的としています。製品がどのような振動条件下で故障するかを予測し、そのデータをもとに故障の発生を未然に防ぐための対策を講じることができます。これにより、製品の信頼性を高め、ユーザーに安心して使用してもらうことが可能になります。
さらに、振動試験は設計改善にも重要な役割を果たします。試験結果をもとに製品の設計や使用する材料の選定を見直し、改良を行うことで、振動に対する耐性を強化します。これにより、製品の品質が向上し、市場での競争力も高まります。
振動試験は製品が規格の適合性確認を行うためにも欠かせません。多くの産業では、製品が特定の振動規格や基準に適合していることを証明する必要があります。振動試験を実施することで、製品がこれらの規格に準拠していることを確認し、品質保証の一環としてユーザーに信頼性を提供します。
以上のように、振動試験は製品の耐久性評価、故障予測と防止、設計改善、規格の適合性確認という4つの重要な目的を達成するために行われるものであり、製品の品質と信頼性を保証するために欠かせない試験方法です。
振動試験の重要性
振動試験の重要性は、製品の信頼性向上、コスト削減、顧客満足度向上、市場競争力の強化という4つの主要な点に集約されます。
まず、振動試験は製品の信頼性向上に寄与します。振動試験を通じて製品の信頼性を検証することで、故障のリスクを低減し、ユーザーに対して高品質な製品を提供することができます。特に重要な部品や機器については、振動試験による検証が欠かせません。製品の信頼性が高まることで、ユーザーは安心して製品を使用することができます。
次に、振動試験はコスト削減にもつながります。製品の設計段階で振動試験を行うことで、将来的な故障やリコールのリスクを低減できます。これにより、メンテナンスや修理にかかるコストを削減し、企業の経済的負担を軽減します。振動試験によって設計上の問題を早期に発見し、修正することで、後々の大きなコストを避けることができます。
また、振動試験は顧客満足度向上にも寄与します。振動試験によって高い信頼性を持つ製品を提供することで、顧客の信頼を獲得し、満足度を向上させることができます。信頼性の高い製品は、顧客からの評価も高くなり、ブランドイメージの向上にも繋がります。顧客が安心して使用できる製品を提供することは、長期的な顧客関係の構築にも役立ちます。
さらに、振動試験を通じて品質と信頼性を保証することで、製品の市場競争力の強化を図ることができます。厳しい市場競争の中で、信頼性の高い製品を提供することは大きな差別化要因となります。他社との差別化を図るためには、製品の品質と信頼性が非常に重要です。振動試験によってこれらを確保することで、市場での競争力を高めることができます。
振動試験は、製品の品質保証と信頼性向上のために欠かせないプロセスです。この試験を通じて、製品の耐久性を確認し、故障を未然に防ぎ、設計の改善に役立てることができます。次に、振動試験の種類とその手法について詳しく見ていきましょう。
振動試験の種類と手法
振動試験にはいくつかの種類があり、それぞれの手法は異なる目的や条件に応じて選択されます。以下では、主要な振動試験の種類とその手法について説明します。
正弦波振動試験
まず、正弦波振動試験は、一定の周波数で製品を振動させる試験です。この試験は、製品が特定の共振周波数に対してどのように反応するかを評価するために用いられます。共振周波数とは、製品が特定の振動周波数に対して大きな振幅で振動する特性を持つ周波数のことです。正弦波振動試験により、製品が共振状態でどの程度の耐久性を持つかを確認し、設計の改善に役立てることができます。
ランダム振動試験
ランダム振動試験は、製品にさまざまな周波数成分を含む振動を与える試験です。この手法は、実際の使用環境で製品が受ける複雑な振動条件をシミュレーションするために使用されます。ランダム振動試験では、広範囲の周波数帯域にわたって振動が発生し、製品がこれらの条件に対してどのように反応するかを評価します。この試験により、製品が現実の環境でどの程度の耐久性を持つかを確認できます。
衝撃振動試験
衝撃振動試験は、製品に突発的な衝撃を与える試験です。この試験は、輸送中や取り扱い時に製品が受ける可能性のある衝撃に対してどの程度の耐性があるかを評価するために用いられます。衝撃振動試験では、高い振幅の短時間の振動を製品に与え、その後の製品の状態を観察します。これにより、製品が衝撃に対してどの程度の耐久性を持つかを確認し、設計の改善に役立てます。
連続波形試験
連続波形試験は、製品に対して一定の波形を連続して与える試験です。この試験は、製品が特定の振動パターンに対してどのように反応するかを評価するために使用されます。連続波形試験では、一定の周波数や振幅の振動が長時間にわたって製品に加えられ、その影響を観察します。この試験により、製品の耐久性や信頼性を確認することができます。
輸送シミュレーション試験
輸送シミュレーション試験は、製品が実際の輸送環境で受ける振動や衝撃を再現する試験です。この試験は、製品が輸送中にどの程度の振動や衝撃に耐えられるかを評価するために用いられます。輸送シミュレーション試験では、トラックや飛行機などの輸送手段が引き起こす振動条件を模倣し、製品の耐久性を確認します。この試験により、製品が輸送中に安全に届けられるかどうかを評価し、必要な改良を行うことができます。
以上のように、振動試験にはさまざまな種類と手法があり、製品の用途や目的に応じて適切な試験を選択することが重要です。各試験の結果を基に、製品の設計や製造プロセスを改善し、信頼性の高い製品を提供することができます。
振動試験に使用される装置と機器
振動試験を実施するためには、専用の装置や機器が必要です。これらの装置は、製品が受ける振動を正確に再現し、評価するために不可欠です。以下では、振動試験に使用される主要な装置と機器について詳しく説明します。

振動試験機
振動試験機は、製品に対して正確な振動を与えるために使用されます。この装置は、電源式、油圧式、または機械式の駆動メカニズムを持ち、設定された周波数と振幅で振動を生成します。振動試験機には、試験対象物を固定するためのプラットフォームがあり、製品を安全に設置して振動を加えることができます。
加速度計
加速度計は、製品が受ける振動の加速度を測定するためのセンサーです。加速度計は製品の表面に取り付けられ、振動の強さや周波数をリアルタイムで計測します。このデータは、振動試験の結果を分析するために使用され、製品がどの程度の振動に耐えられるかを評価する基礎となります。加速度計には、圧電式、ピエゾ電気式やMEMS(微小電気機械システム)技術を用いたものがあり、用途に応じて選ばれます。
データ収集装置
データ収集装置は、加速度計などのセンサーから取得したデータを収集し、記録するための機器です。この装置は、振動試験中に得られる大量のデータを効率的に処理し、分析するためのソフトウェアと連携しています。データ収集装置は、高速かつ高精度でデータを取り込み、試験後の解析を容易にします。
コントローラー
振動試験の条件を設定し、振動試験機を制御するためのコントローラーも重要な機器です。コントローラーは、試験の開始、停止、周波数や振幅の調整などを行うために使用されます。また、試験中の振動パターンをプログラムし、特定の条件での試験を実現することができます。これにより、リアルな使用環境をシミュレーションすることが可能になります。
固定治具
固定治具は、製品を振動試験機に取り付けるための専用の装置です。これらの治具は、試験対象物をしっかりと固定し、試験中に動かないようにします。固定治具は、製品の形状やサイズに応じてカスタマイズされることが多く、試験の精度を高めるために重要な役割を果たします。
環境試験チャンバー
環境試験チャンバーは、製品や材料が様々な環境条件下でどのように反応するかを評価するために使用される試験装置です。この装置は、温度、湿度、圧力、振動、光、腐食などの環境要因を制御し、再現することができます。環境試験チャンバーは、製品が極端な環境条件下でも正常に機能するかを評価するために、温度や湿度を厳密に制御しながら振動を与えることができます。
以上のように、振動試験に使用される装置と機器は多岐にわたり、各機器が連携して正確な試験を実現します。これらの機器を適切に使用することで、製品の耐久性や信頼性を確保し、品質を向上させることができます。
振動試験の実施手順
振動試験を効果的に実施するためには、計画からデータ解析まで一連の手順を順を追って進めることが重要です。以下に、振動試験の実施手順について説明します。
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試験計画の立案
振動試験を開始する前に、まず試験計画を立てることが必要です。この計画には、試験の目的、対象製品、試験条件、使用する装置や機器などの詳細を含めます。例えば、製品がどのような環境で使用されるかを考慮し、試験で再現する振動条件を設定します。また、試験の期間や試験中に収集するデータの種類も計画に含めます。
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試験準備
試験計画が確定したら、次に試験の準備を行います。まず、試験対象物を適切な治具によって振動試験機に固定します。次に、加速度計やその他のセンサーを製品の重要な箇所に取り付け、振動データを正確に測定できるようにします。さらに、データ収集装置やコントローラーを設定し、試験条件に応じたプログラムを準備します。
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試験の実施
試験準備が整ったら、いよいよ振動試験を実施します。まず、コントローラーを使って振動試験機を起動し、設定した振動条件で製品に振動を与えます。試験中は、リアルタイムでデータ収集装置が振動データを記録し、モニタリングします。試験は計画された期間にわたり実施され、必要に応じて条件を調整しながら進めます。
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データ収集と解析
試験が完了したら、次に収集したデータを解析します。データ収集装置から取得した振動データを専門の解析ソフトウェアに入力し、製品が受けた振動の強度や周波数、製品の応答などを詳細に解析します。この解析結果をもとに、製品の耐久性や信頼性を評価します。具体的な故障の兆候や設計上の問題点が見つかった場合は、これらのデータを活用して改善策を検討します。
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結果の評価と報告
データ解析の結果を基に、試験の評価を行います。評価には、製品が設定された振動条件に対してどの程度の耐久性を示したか、また予想外の問題が発生したかどうかを含めます。評価結果を詳細な報告書にまとめ、関係者に共有します。この報告書には、試験の概要、実施方法、得られたデータ、解析結果などが含まれます。
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設計の改善とフィードバック
最後に、試験結果を基に製品の設計や製造プロセスを改善します。試験で明らかになった問題点や弱点を考慮し、設計の見直しや材料の変更などを行います。また、振動試験のフィードバックを製造現場や設計チームに共有し、次回の製品開発に活かします。これにより、製品の品質と信頼性を継続的に向上させることができます。
以上が、振動試験のステップバイステップガイドです。これらの手順を順を追って進めることで、振動試験を効果的に実施し、製品の信頼性と耐久性を確保することができます。
振動試験のデータ解析と結果の解釈
振動試験が完了した後、そのデータを解析し、結果を解釈することは非常に重要です。データ解析と結果の解釈により、製品の耐久性や信頼性を正確に評価し、必要な改良点を特定することができます。以下では、振動試験のデータ解析と結果の解釈の手順を説明します。
データ収集の重要性
振動試験中に取得されたデータは、製品がどのように振動に反応したかを示す重要な情報源です。このデータは、加速度計やその他のセンサーを通じて収集されます。振動の強度、周波数、時間経過に伴う変化などが記録され、試験後の解析に用いられます。
データの前処理
データ解析の最初のステップは、収集したデータの前処理です。前処理には、ノイズ除去、データの平滑化、不足データの補完などが含まれます。これにより、解析に使用するデータの品質を高め、正確な結果を得るための基礎を築きます。
周波数解析
次に、周波数解析を行います。これは、製品がどの周波数帯域でどの程度の振動に反応したかを評価するための解析手法です。フーリエ変換を用いて時系列データを周波数領域に変換し、共振周波数や振幅のピークを特定します。この情報は、製品が特定の周波数で強く振動するかどうか、またその原因を突き止めるために役立ちます。
時間領域解析
周波数解析と並行して、時間領域解析も行います。これは、振動の強度やパターンが時間経過とともにどのように変化するかを評価するための手法です。時間領域解析により、振動の持続時間や振幅の変動を詳細に把握し、製品の動的応答を理解します。これにより、特定の時間帯に異常な振動が発生した場合、その原因を特定しやすくなります。
モーダル解析
モーダル解析は、製品の固有振動数や振動モードを特定するための手法です。この解析により、製品が特定の振動形態でどのように変形するかを評価します。モーダル解析の結果は、製品の設計や材料選定において重要な指針となり、振動に対する耐性を強化するための基礎データを提供します。
データの統合と総合評価
各種解析手法によって得られたデータを統合し、総合的な評価を行います。製品が設定した振動条件にどの程度耐えたか、また予想外の問題が発生したかどうかを評価します。例えば、特定の周波数で振動が大きく増幅された場合、その原因を特定し、設計の改善が必要かどうかを判断します。
結果の解釈と報告
解析結果を基に、製品の耐久性や信頼性に関する結論を導き出します。この結論は、詳細な報告書としてまとめられ、関係者に共有されます。報告書には、試験の概要、実施方法、得られたデータ、解析結果、今後の改善提案などが含まれます。また、結果の解釈に基づき、設計の見直しや製造プロセスの改善が検討されます。
改善提案と実装
最後に、解析結果に基づいて具体的な改善提案を行います。設計の変更や材料の見直し、製造プロセスの改良など、製品の信頼性を向上させるための対策を実施します。これにより、次回の振動試験ではより高い耐久性と信頼性を持つ製品を提供することが可能となります。
以上が、振動試験のデータ解析と結果の解釈の手順です。これらのステップを通じて、製品の品質と信頼性を確保し、顧客に安心して使用してもらえる製品を提供することができます。
振動試験における注意点とベストプラクティス
振動試験を実施する際には、試験の精度と信頼性を確保するためにいくつかの重要な注意点とベストプラクティスがあります。以下に、振動試験を成功させるためのポイントを説明します。
注意点
まず、振動試験において考慮すべき重要な注意点について説明します。
試験条件の設定
試験条件を設定する際には、実際の使用環境を正確に反映させることが重要です。過剰な振動や不適切な周波数範囲を設定すると、試験結果が現実とかけ離れてしまう可能性があります。実際の使用環境に基づいた条件設定が不可欠です。
試験対象物の固定
試験対象物を振動試験機に固定する際には、しっかりと固定することが重要です。不適切な固定は、試験中の対象物の動きやズレを引き起こし、正確なデータ収集を妨げる可能性があります。専用の治具を使用し、対象物を安定させることが求められます。
センサーの取り付け
加速度計やその他のセンサーを取り付ける際には、正確な位置に配置することが重要です。センサーが適切に取り付けられていないと、正確なデータが収集できず、解析結果に影響を与える可能性があります。センサーの位置と取り付け方法に注意を払うことが必要です。
データ収集と処理
データ収集装置の設定やデータ処理方法についても注意が必要です。データ収集の頻度や解析の精度が不十分だと、重要な情報を見逃す可能性があります。データ収集の設定を適切に行い、必要な解析を確実に実施することが重要です。
ベストプラクティス
次に、振動試験を効果的に実施するためのベストプラクティスを紹介します。
詳細な試験計画の作成
試験計画を詳細に作成し、試験の目的、条件、手順を明確にすることが重要です。計画には、試験対象物、使用する装置、データ収集方法、解析手法などの詳細を含めます。事前に計画を立てることで、試験中の問題を未然に防ぎます。
試験のリハーサル
本試験の前にリハーサルを行い、全ての装置や機器が正しく動作することを確認します。リハーサルを通じて、試験手順の確認や機器の調整を行い、本番試験でのトラブルを回避します。
データのバックアップ
試験中に取得したデータは、定期的にバックアップを取ることが重要です。データの紛失や破損を防ぐために、複数の保存方法を用いてデータを保護します。データの安全性を確保することで、試験結果の信頼性を保ちます。
定期的な校正とメンテナンス
使用する装置や機器は、定期的に校正し、メンテナンスを行うことが重要です。装置の性能が劣化すると、試験結果に誤差が生じる可能性があります。定期的な校正とメンテナンスにより、装置の精度と信頼性を維持します。
データの多角的な解析
取得したデータを多角的に解析することで、より深い洞察を得ることができます。周波数解析や時間領域解析、モーダル解析など、様々な手法を組み合わせて解析を行い、試験対象物の振動特性を詳細に評価します。
結果のフィードバック
試験結果を設計チームや製造部門にフィードバックし、改善点を共有することが重要です。振動試験の結果をもとに、製品の設計や製造プロセスを改善し、次回の試験や製品開発に活かします。継続的なフィードバックと改善により、製品の品質と信頼性を向上させます。
以上が、振動試験における注意点とベストプラクティスです。これらのポイントを押さえることで、振動試験を効果的に実施し、製品の耐久性と信頼性を確保することができます。
SBS東芝ロジスティクスの振動試験
SBS東芝ロジスティクスの振動試験は、輸送中に包装貨物が受ける振動が製品やその包装に与える影響を評価することを目的としています。具体的には、振動による損傷の程度を確認し、包装がどれだけ振動を抑えられるか(防振効果)、衝撃を吸収できるか(緩衝効果)、そして振動が特定の条件で強まる現象(共振の影響)を評価しています。
振動試験は、ISO/IEC 17025:2017認定を受けた試験所で実施され、国際的に信頼性の高い試験結果を提供します。この認定により、自動車産業などの厳しい品質基準に対応し、輸送中に製品や包装が受ける振動の影響を正確に評価することが可能です。振動試験の認定範囲内で行った試験では、認定機関のシンボルとILAC-MRA相互承認マークが入った試験報告書を発行し、監査や品質管理プロセスの効率化と信頼性向上に寄与します。また、ISO/IEC 17025認定の適用範囲外の試験にも対応しており、製品の特性や顧客のニーズに応じた柔軟なサポートを提供しています。様々な振動試験装置と試験方法を用いることで、製品の防振・緩衝効果や共振現象の影響を詳細に分析し、製品の耐久性や安全性を高めます。
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厳格な規格や方法に基づいた振動試験
SBS東芝ロジスティクスでは、厳格な規格や方法に基づいて振動試験を行っています。
まず、製品の輸送中における安全性を確保するために、いくつかの重要な規格を遵守しています。その中でも特に重要な規格として、JIS Z 0200およびJIS Z 0232があります。
JIS Z 0200は、包装貨物が輸送中に受けるさまざまな影響を評価するための基本的なガイドラインであり、製品を保護する包装の効果を総合的に評価するための基準です。
一方、JIS Z 0232は、振動試験の具体的な方法や条件を詳細に定めた規格で、標準的な試験手順に加えて、顧客が特定の条件を指定した場合にも対応できる柔軟なガイドラインを提供しています。これにより、様々な条件下での製品の耐久性を高い信頼性で評価することが可能です。次に、試験方法については、製品がどのように振動に耐えるかを確認するために、いくつかの異なる手法を用いることがあります。不規則な振動を再現するためにランダムな波形を使用する「不規則振動試験」では、パワースペクトル密度(PSD)という基準に基づいて振動を加え、製品の損傷を確認します。また、ランダムな振動が難しい場合には、振動数を時間とともに変化させる「正弦波掃引試験」が行われます。さらに、特定の条件下で製品の耐久性を評価するため、一定の振動数と加速度で振動を加える「正弦波一定試験」も実施することがあります。この試験では、製品の振動耐性や共振現象の影響を調査します。
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振動試験に使用される試験装置
SBS東芝ロジスティクスでは、製品や包装の耐久性を評価するために、2種類の振動試験装置を使用しています。これらの装置は、それぞれ異なる仕様と目的に応じて選ばれ、試験の精度を高めるために重要な役割を果たしています。
サーボモーター式振動試験機
特徴:この装置は、正弦波およびランダム波による振動試験が可能で、最大200kgまでの製品を対象に試験を行うことができます。周波数範囲は5Hzから200Hzです。
使用場面:比較的軽量な製品や包装材の振動試験に適しています。この装置を使用して、製品が輸送中に受ける振動による影響を評価し、どの程度の振動に耐えられるかを確認します。電磁式振動試験機
特徴:この装置も正弦波およびランダム波の振動試験が可能ですが、最大300kgまでの大型製品を対象に試験を行うことができます。周波数範囲は、2Hzから200Hzです。
使用場面:この試験機はISO/IEC 17025認定取得した試験機となり、その試験品の範囲は最大寸法600x500x700mm、最大質量16kgとなります。認定範囲外の重量物や大型製品についての振動試験も対応しております。これにより、製品が輸送中に受ける複雑な振動環境をシミュレーションし、製品の耐久性や包装の防振効果を評価します。これらの振動試験装置を使用して、SBS東芝ロジスティクスでは、製品や包装の耐久性を評価するために、様々な振動試験を実施しています。これらの試験では、製品が輸送中に受ける可能性のある振動による損傷や変形を再現し、その影響を評価します。
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振動試験の活用事例
SBS東芝ロジスティクスは、様々な製品に対して具体的な振動試験を実施しており、その結果を基に製品の改善や耐久性の評価を行っています。以下に、実際の試験事例の一部をご紹介します。
すかし木箱の振動試験
現行品と改善品のすかし木箱を対象に、垂直方向の振動試験を実施しました。現行品では、振動によってボルトが緩み、合板がたわむなどの問題が見られましたが、改善品では、振動に対する耐性が向上し、変形が抑えられる結果となりました。
電機部品のフレッチング検証
電機部品が振動にさらされた際に発生するフレッチング(微小な摩耗現象)を検証しました。この試験を通じて、部品の耐久性を評価し、必要な改良点を見つけ出すことが目的です。
避雷器の振動耐久試験
避雷器が振動に対してどれだけ耐えられるかを評価しました。この試験では、製品が長期間にわたり振動にさらされた場合の耐久性を確認しました。
その他の製品試験
電力量計や医療機器の振動試験も行われています。これらの試験では、製品が輸送や設置過程でどのような振動に耐えることができるかを評価し、品質や安全性を確保します。
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信頼性の高い試験環境によるサポート
SBS東芝ロジスティクスの横浜包装試験所は、権威ある第三者機関(ペリージョンソン ラボラトリー アクレディテーション インク)に認定された国内外で通用する試験所です。近年多くの製品分野において規格要求となりつつある「ISO/IEC 17025:2017」認定を受けた振動・自由落下試験が可能となっています。この認定により、自動車産業などの厳しい品質基準に対応する外部試験所として利用することが可能で、試験結果は国際的に認められています。認定範囲内で実施した試験では、認定機関のシンボルとILAC-MRA相互承認マークが入った試験報告書も発行され、監査の際には試験結果の信頼性が証明されているため、監査プロセスの効率化とコスト削減が期待できます。
さらに、横浜包装試験所はISO/IEC 17025認定の適用範囲外の振動・落下試験にも対応しており、傾斜衝撃試験機、大型落下試験機、圧縮試験機、温湿度試験機といった様々な設備も完備しています。
このように、SBS東芝ロジスティクスでは、ISO/IEC 17025認定を受けた信頼性の高い試験所として、製品や包装の耐久性、安全性を評価し、様々な試験装置と方法を用いて精密な分析を行っています。これにより、厳しい品質基準を満たすための最適なソリューションを提供しています。
さらに製品の安全性や品質管理に関心のある方は、ぜひこちらをご覧ください。また詳しい情報や具体的なご相談については、お気軽にお問合せいただけると幸いです。専門スタッフが、製品の品質や安全性を確保するための最適なソリューションをご提案いたします。
SBS東芝ロジスティクスの振動試験
SBS東芝ロジスティクスの振動試験
ISO/IEC 17025:2017認定を受けた試験所で実施。
国際的に信頼性の高い試験結果をご提供いたします。
